決断力

羽生善治　著　角川書店　2005/7/10


この本は、羽生氏の「大局観」を読み、それ以前に書かれた本であるということで続けて読んでみた。
羽生氏には以前からその考え方に興味があったためである。

今回、この「決断力」を読んでの感想は、「大局観」より先に読むべきたったかな？ということである。
内容が似ていて、こちらのほうがよりわかりやすシンプルに書かれている気がしたからである。

さて内容であるが、やはり心にひっかかるフレーズはいくつか出てきた。

まずひとつめは「KISS」である
これは、「keep it simple,stupid」の略で、固定観念に縛られず、シンプルに考えるということであるそうだ。
確かに、何かを考えるときに、過去の事例など固定観念にとらわれ、複雑に考えすぎて逆に何も浮かばなくなってしまうことはよくある。
そうではなく、ゴチャゴチャ考えずに新プリにいけ、というこの言葉は現在の私にはとても斬新に思えた。


二つ目としては「常に前進し、守ろうとしないこと」であろう。
私も38歳となり、ある程度の経験を重ね、職場でもそれなりのポジションになりつつあるが、やはり常に新しいことを吸収する気持ちは大事にしていきたい。
十分地位も名声も手に入れている羽生氏でさえそうであるように、やはりこの気持ちは常に持ち続けるべきでることを再確認できた。


三つ目は「決断とリスクはワンセットである」ということである。
リスクを冒さなければ進歩はない。今リスクを冒さず無難に切り抜けても、将来それが大きなリスクとなるということである。
常に前進する、ということとも被るが、やはり積極的にいろんなことにチャレンジする精神は必要なのである。


さらに四つ目として「先入観や思い込み」について。
やはりこれも経験を積めば積むほど先入観や思い込みは激しくなり、新しいことを発見しづらくなる。
若いころはいろいろああでもない、こうでもないと試行錯誤しながらやっていたことが、これはこういうものだという考えですましてしまうもの。

それでは進歩はあり得ない。
常に疑問を持ちながら、新しいことへのチャレンジをしていきたい。


そして最後に「直観の７割は正しい」ということ。
これは羽生氏が長い間に経験してきたものであろう。
こうなるためには、さまざまな経験を重ねた者がいえることである。
私も、自分の中では、トラブルが起きた際には直観的に、ここではないか？というものが浮かぶようになってきた。
経験がものをいうもので、これからも多くの経験を積み、直観力というものも身につけたいと思う。



こうやって見てみてると、常に新しいことにチャレンジし、経験を重ねることが人生において重要なのがよくわかる。

私も守りに入らずに、多方面の経験を積んで行きたいと思う。



2011/11/1　読終