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子育て本や自己啓発本を中心に通勤電車で読んだ本の感想を書いてます
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岡井 崇 箸     早川書房(2009/09/05)

この本は、「ギネ」という題名のドラマになったことで知った。

舞台は、大学病院の産婦人科病棟。

私の妻が助産師ということもあり、まずドラマを見て、この本への興味がわき、手にとった。

主人公は産科医師。
判断の難しいケースでの帝王切開で、そのご母体死亡。

遺族から医療過誤として訴えられる。

妻からいろいろ話しを聞き、新聞等でも問題視されている、産科の医師不足。

この本でも大きな問題となっており、月の半分以上が当直(当直明けは普通に日勤)というかなり厳しい状況が描かれており、さらに出産というものが我々が思っている以上に危険もあるということがうったえられている。


もちろん正常に出産できれば問題ないが、思うように赤ちゃんが出てこない、急激に脈が落ちるなどで緊急の帝王切開もある。

帝王切開をすると、いろいろな感染病にかかるケースもある。

今回もそういったケースの一つであるが、母体死亡がすべて病院の責任だといった報道のされ方は危険であろう。


そういったケースが増えたことが医師不足にもつながってるとも書かれている。

もちろん遺族はやるせないが、こういったケースに用いられる制度が、「ノーフォールト(無過失補償制度)」だそうである。

外国では導入されている国もあるそうで、病院の過失の有無に関係なく遺族には補償金が支払われ、病院側の審判は第三者機関が行い、基本的には裁判で遺族と病院が争うことはないということ。

こういう制度の導入が遅れている日本では、これからの話なのは言うまでもないが、病院とはとても大切なものであり、医師とは信頼できるものであるはず。

しっかりとした基盤を作り、有能な医師を増やし、医療に専念できる環境をしっかり作ってほしい。

医師が描いただけあり、リアリティがありながらメッセージも伝わってくる作品であった。


2009年12月18日 読終
 

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